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国内ブランドの中古ピアノ

国内のピアノメーカーそれぞれの新品・中古価格の相場とともに、それぞれのメーカーの特徴や、オススメするポイントをご紹介していきます。

ヤマハ(YAMAHA)

明治30年(1897年)、日本楽器製造株式会社として発足、日本のピアノメーカーとして牽引してきたメーカーです。1987年にはブランド名のヤマハが社名になりました。

もともとはベヒシュタインの技術を元にピアノ製造を続けていましたが、国内シェアに比べて海外での人気が低いことから、1960年台からスタインウェイの研究を始め、これを機に海外でも少しずつ認知度が高くなってきました。現在では全世界のピアノコンクールでも数多く採用されているメーカーとなっています。

近年では生産拠点を中国やインドネシアに移しているため、完全国内生産であった時代の中古品の方が品質が高い…という状況も多々あるようです。特に材質が良かった1960~70年代の中古ピアノが再評価されています。

ヤマハ(YAMAHA)の主なシリーズと価格

  • YU11シリーズ:新品60万円~
  • b113シリーズ:新品40万円~
  • U1シリーズ:中古30万円~
  • 木目シリーズ:中古40万円~

カワイ(KAWAI)

昭和2年、ヤマハの職人が独立して設立したメーカーです。1990年にはピアノの累計生産台数200万台を達成している、ヤマハとともに日本を代表するメーカーです。

1990年からスタインウェイの特徴を捉えたシリーズを発売し、スタインウェイデザインの「ボストン」シリーズは海外からの愛好家も多いブランドとなっています。

また、外装部分がすべてアクリルの透明なクリスタルピアノは、1970年の登場以来、多くのミュージシャンに愛用されています。

カワイでは楽譜や音楽専門書の出版をおこなう出版社も経営しています。

カワイ(KAWAI)の主なシリーズと価格

  • ボストンシリーズ:新品100万円~
  • Kシリーズ:新品52万円~
  • KLシリーズ:中古40万円~
  • K55シリーズ:中古40万円~

東洋ピアノ

1948年に設立された東洋ピアノは、世界に誇る日本の職人技を活かした独自の生産体制を保ってきた国産メーカーです。現在はアポロという新シリーズをメ インに製造しており、アポロホールという音楽ホールも作っています。

この東洋ピアノが手掛けたシリーズの中で、ピアノファンから特に支持をあつめているのが、今では生産中止になってしまった「フリッツクーラー」です。実はこのフリッツクーラー、東京芸大・武蔵野音大の指定楽器だったという実績があります。

東京芸大の指定楽器アップライトピアノは、グランドピアノと同等の迫力や広がりのある響き、しっかりとしたタッチ、飽きのこない音質を目指して作られました。このピアノは、グランドピアノでも上位器種にしか使われないような贅沢な材料を使っているのが特徴です。ピアノ職人が丁寧に時間をかけて作り上げているため、調律を怠らなければ100年以上弾き込んでも大丈夫なのだそうです。

もちろんタッチの調整は幅広く可能なため、これからピアノを勉強しようという小さなお子さんから、音大の受験を目指す方まで、幅広く対応することができます。

オークションなどにはほとんど出ないシリーズですが、中古ピアノのショールームなどでは、お手ごろな価格で取り扱いをしている場合もあります。中古ピアノの購入を考えるのなら、ぜひともチェックしておきたい名品です。

東洋ピアノの主なシリーズと価格

  • フリッツクーラーシリーズ:中古アップライトピアノ40万~90万円ほど
  • アポロシリーズ:中古グランドピアノ70万~150万円

大橋ピアノ

大橋ピアノは、1958年に設立、大橋幡岩氏によって作られたメーカーです。

図面ができると音が聞こえる天才と呼ばれた大橋氏は、ヤマハに13歳で入社、のちに浜楽商事に移り、ディアパソンピアノを誕生させます。その後、自らの信念を実現するために会社を立ち上げました。

「自分の名前をつけられないようなピアノは作りたくない」とこだわった ピアノはオオハシピアノと名付けられ、生産台数は少ないものの、愛好者たちによって愛されてきました。

1980年の幡岩氏、1991年の二代目巌氏の死去によって、自主廃業した大橋ピアノは、4,600台あまりしか作られておらず、価格以上の価値がある名品として、中古市場で大変人気のあるシリーズです。

大橋ピアノの主なシリーズと価格

  • オオハシピアノ:中古80万〜150万円ほど

DIAPASON(ディアパソン)

日本のピアノ製造に大きな貢献をしたとされている大橋幡岩が設計したディアパソンピアノ。

採算を度外視して作られたピアノと言われるだけありハイクラスのピアノに属しており品質は高いと評判です。現在は河合楽器に経営統合されており、ワンランク上のブランドとして製造・販売が行われています。

これまでは一般的にはあまり馴染みのないピアノではあったものの、インターネットが普及することによってその評判が広がったという面を持つピアノです。人気は高いものの丁寧に製造されていることから出回っている台数が少なく、品薄の状態となっていることが多い点も特徴のひとつであるといえるでしょう。新品・中古ともに流通はしており、受注生産の機種もあります。

DIAPASON(ディアパソン)の主なシリーズと価格

  • DU128F(新品)110万円〜
  • DU132(新品) 130万円〜
  • 35万~80万円

KREUTZER(クロイツェル)

ヨーロッパピアノの伝統や芸術性を具現化したクロイツェル。ドイツ直輸入したハンマーなどヨーロッパの部材をふんだんに使用しており、透明度の高い音色が大きな特徴となっています。低音域から高音域まで豊かな音域を楽しめるピアノです。

クロイツェルは、稲葉ピアノの創業者である稲葉綱雄とピアニストの伊達純の出会いがきっかけで生まれたピアノメーカーです。浜松に拠点を置き、魅力的なピアノを製造してきました。

クロイツェルが生み出すピアノの特徴は、ファッショナブルでアンティークなデザイン。熟練の技術者によるハンドクラフトでの製造のために製造数が少ないという面もありますが、気品の高いデザインが人気を集めているピアノメーカーです。

KREUTZER(クロイツェル)の主なシリーズと価格

  • KE504(中古) 66万円〜
  • KE603(中古) 69万円〜
  • KE703(中古) 88万円〜

AIZENAHA(アイゼナハ)

アイゼナハのピアノは、レスポンスが良く他にはない音色が特徴的といえるでしょう。ピアノ全体から豊かな音が響くという点が人気で、サイズの大きいピアノからは重量感のある響きを感じられます。
ただし、アイゼナハのピアノは量産されておらず、一般的にあまり出回っていないというのが現状です。一般の人はあまり知らないということがほとんどであり、中古であったとしても希少性が高いという点がアイゼナハの特徴のひとつといえるでしょう。

また、アイゼナハのピアノの多くは、楽器としての利用はもちろんインテリアとしても人気の高いデザインです。ヨーロッパ調の外装となっていて、木目調のものや猫脚仕様となっているものもあります。また、上品なデザインなので部屋の雰囲気を壊すことなく設置できます。さらに、付属のランプを設置できるなどさまざまな用途を想定してデザインされている点も魅力となっています。

AIZENAHA(アイゼナハ)の主なシリーズと価格

  • 39万~86万円

SCHWESTER(シュベスター)

一台一台手仕事で作られており、非常に生産数が少ないことでも知られているシュベスター。時間をかけて丁寧に作られているピアノは、受注後ピアノと椅子であればおよそ3ヶ月、また応接セットを加えた場合には1年待ちとなっています(バロック調の彫刻が施されたモデルの場合)。これほど時間をかけて待っても良いから手に入れたいと考える人がいますので、シュベスターは中古商品はあまり多く出回っていません。ですので、特別なピアノを手に入れたいと考えている人にオススメの一台と言えるでしょう。

シュベスターの特徴として、ピアノの心臓とも呼ばれる響板には北海道の赤エゾ松のみを使用しています。さらに、シュベスターではデザイナーがおらず、クラシックな形態のピアノを作り続けている点も注目したいポイントです。

SCHWESTER(シュベスター)の主なシリーズと価格

  • 55万~100万円

アトラス

アトラスは、かつて静岡県浜松市に拠点をおいていたピアノメーカーです。現在はすでにその歴史に幕をおろしていますが、その品質には定評がありました。ヤマハ、カワイ、アポロに次ぐ勢いがあったことに加えて、当時は国立音楽大学の指定工場となっていたことでも知られています。

アトラスでは、「アトラス」「スタインマイヤー」「クロイツバッハ」「モルゲンスタイン」といった数多くのブランドを提供していました。主流ブランドとされていたのが「アトラス」のピアノであり、その中でも数多くの種類のピアノを製造しています。

例えば、津軽塗が施されたモデルや象嵌装飾を施したモデルなど、ほかのピアノメーカーとは異なるデザインが特徴のものも多く提供されてきたことも特徴のひとつと言えるでしょう。

アトラスの主なシリーズと価格

  • ATLAS 津軽(中古) 132万円〜
  • ATLAS A10(中古) 32万円〜

シュバイツァスタイン

シュバイツァスタインの大きな特徴は、「ドイツ正統派の流れを受け継いだピアノである」という点です。もともとはドイツのピアノを研究するところから生み出されており、ドイツの高い技術が取り入れられている国産のピアノとなっています。
また、シュバイツァスタインではそれぞれのパーツについてもこだわりが込められており、ドイツ製のものをはじめ厳選した質の高い部品を使用しています。
高い技術を取り入れたシュバイツァスタインは、演奏者の繊細なタッチを拾ってくれるという点も魅力のひとつで、高い評価を受けているピアノです。独自に開発された響板を使用することや、熟練の技術者により、手工芸的な作業を経て丁寧に生み出されていることから美しく豊かな音色を奏でるピアノとなっています。このシュバイツァスタインに使われている響板は、DS響板と呼ばれるもの。手彫りでダイヤモンドカットを施した響棒を配列することにより、グランドピアノを超えるダイナミックな音色と音量が発揮されるという特徴があります。
このようにドイツの流れを汲んだ伝統的な技術に加え、長年の研究と改良を繰り返して生み出されたピアノが、シュバイツァスタインのピアノなのです。

シュバイツァスタインの主なシリーズと価格

  • SS122EC:748,000円(税込)
  • SS122MC:792,000円(税込)
  • SS122XC:858,000円(税込)
  • SS200ANC:924,000円(税込)
  • SS131E:935,000円(税込)

スタインリッヒ

静岡県浜松市のスタインリッヒ製作所によって製造・販売されていたピアノが「スタインリッヒ」。伝統的な手法を大切にして製造されてきたピアノであり、非常に美しい音色を奏でる点が特徴のピアノとして愛されています。
スタインリッヒピアノの母体となっていたのが浜松市にあった「三葉楽器製作所」であり、同社は1948年にスタインリッヒ製作所と東洋ピアノ製造株式会社に分かれました。そのうちのひとつ、スタインリッヒ製作所では「エルンストホーマイヤー」というブランドのピアノを1988年ごろまで製造してきたという歴史があります。
そのため、現在スタインリッヒピアノは製造されておらず、このピアノを手に入れたいと考える場合には中古市場を探すしか方法がありません。しかし、大量生産の時代に「たとえ手間や材料費がかかったとしても、品質には決して妥協はしない」という思いでひとつひとつの部品にまでこだわり抜いて作られたピアノである点、さらに現在は製造されていないという希少性もあり、非常に根強い人気を誇るピアノといわれています。
現在、購入可能なスタインリッヒピアノを見つけるのはなかなか簡単なことではないといわれていますので、もしこのピアノが気になっていて中古市場などで見つけた場合には、ぜひ検討してみると良いでしょう。

スタインリッヒの主なシリーズと価格

  • STEINRICH S180EA:399,600円(税込・中古価格)

エテルナ

エテルナピアノは、かつて静岡県にあった天竜楽器製造株式会社にて製造されていたピアノです。本物の木を使って製造されていた同社のピアノは、音質が良いこと、そして頑丈な作りが特徴となっており今でも人気が高いピアノといわれています。天竜楽器製造株式会社は1969年にヤマハに吸収合併されており、ヤマハのピアノそのものの音色です。

エテルナの主なシリーズと価格

  • ETERNA G430:価格不明
  • ETERNA E1A:価格不明
  • ETERNA 1:価格不明

アール・ウィンザー

以前静岡県にあったフローラピアノ株式会社によって製造されていたピアノ。ドイツから部品を輸入して作られていたことが特徴のピアノとなっており、ドイツ製のレスロー弦やレンナーハンマーフェルトが使用されています。現在は新品は流通していませんので、手に入れたい場合は中古市場を探すことになります。細かい部分までこだわって作られているピアノであることから、しっかりと調律することで美しい音色を奏でられるピアノといわれています。

アール・ウィンザーの主なシリーズと価格

  • アールウインザー W112:価格不明
  • アールウインザー W113:価格不明
  • アールウインザー W115:価格不明

EASTEIN(イースタイン)

かつて東京に本社を置いていた東京ピアノによって製造されていたピアノです。ピアノ系の技術者を集めたのが東京ピアノの始まりと言われており、EASTEINも非常にこだわって作られたピアノであることが知られています。
アップライトピアノの中でもB型が最高峰とされていますが、このモデルはドイツのブリュートナーをモデルとして作られたピアノ。残念ながら現在は製造が終了していますが、現在でも根強い人気を誇るブランドです。

EASTEIN(イースタイン)の主なシリーズと価格

  • U型:価格不明
  • C型:価格不明
  • N型:価格不明
  • B型:価格不明

WISTARIA(ウイスタリア)

WISTARIA(ウイスタリア)は、ウィスタリアピアノ製作所により製造されているピアノ。現在は神奈川県大和市の自社工場にて製造が行われています。1台1台丁寧に作られており、ヨーロッパのピアノを思わせるようなまろやかな音色が特徴。スタインウェイに勤務経験のあるピアノマイスターにより、仕上げが行われています。
中には、アップライトピアノであるにも関わらず、グランドピアノを思わせるモデルもあり、豊かな表現ができるピアノであるといえるでしょう。

WISTARIA(ウイスタリアの主なシリーズと価格

  • ウイスタリア K115W:330,000円(税込)
  • ウイスタリア RU30B:363,000円(税込)
  • ウイスタリア RU70M:385,000円(税込)
  • ウイスタリア K110M:561,000円(税込)

シルバースタイン

シルバースタインは、東海楽器が製造していたピアノです。現在、東海楽器はピアノ製造から撤退しているため、購入したい場合は中古で探すことになります。ドイツのシンメル社のピアノを研究して製造されたため、欧米の小型ピアノに似たクリアな音色が楽しめるピアノです。音質を犠牲にせず小型化に成功したピアノという評価を得ています。

シルバースタインの主なシリーズと価格

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スタインバッハ

平和楽器製作所が製造していたアップライトピアノがスタインバッハです。2002年に会社が解散し、現在は製造されていません。1939年に製造をスタートしますが、戦時中でピアノ製造は中断。航空機生産の下請けをしていました。戦後、ピアノ製造を再開しています。初期の製品は独特のタッチで重め、末期は外装だけ自社で中身はヤマハです。

スタインバッハの主なシリーズと価格

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ボストン

かのスタインウェイの第2ブランドとして1992年に登場し、製造は日本のカワイ楽器によって行われているのがポストンになります。スタインウェイの設計思想や特許技術は活かしながら、製造は大量生産に適した設備を持つ日本のカワイが担当。格はミドルクラス程度に抑えられているものの、同じ価格帯のピアノにはないプレミアム感を実現しているとアピールされています。

ボストンの主なシリーズと価格

  • UP-118E PE:新品1,188,000円(税込)~
  • UP-126E PE:新品1,551,000円(税込)~
  • UP-132E PE:新品1,980,000円(税込)

ベルトーン

東京音楽学校 (現・東京芸術大学) の教授を務め、フジコ・ヘミング氏も師事したピアニスト、レオニード・クロイツァー氏によって命名。製造を行ったのは、浜松の富士楽器製造 (ベルトーンピアノ研究所)で、設計・製造を指導したのは、当時の日本のピアノ調律界の第一人者であった沢山清次郎氏。ハンドメイドにこだわり1970年代まで製造が続けられました。

ベルトーンの主なシリーズと価格

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TONICA(トニカ)

ディアパソンを立ち上げた大橋幡岩氏が技術指導に携わったこともあるトニカピアノ。現在でも中古ピアノとして高い人気があります。トニカは国産ピアノですが、同じ国産のヤマハやカワイとも異なり、大橋氏設計の独特なタッチ感があります。重低音の響きが太いのも特徴で、中・高音部はしっとりとしてディアパソンや大橋ピアノを彷彿とさせる音色です。

TONICA(トニカ)の主なシリーズと価格

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