公開日: |更新日:
1780年にセバスチャン・エラールによって創業された、19世紀フランスを代表するピアノメーカーであるエラールのピアノと中古販売事情について解説します。
19世紀の巨匠達が愛したピアノ
歴史的な作曲家であるハイドン、ベートーヴェン、リスト、ショパン、メンデルスゾーン、ヴェルディ、ワーグナー、シャブリエ、フォーレ、ラヴェルたちがエラールを所有して演奏していた。さらに1パリ音楽院の業者であったこともあり、19世紀後半のパリ音楽院でのレッスンはエラールのピアノで行われ、多くのピアニストや作曲家達がエラールによって育成されています。
エラールのピアノの特徴は、平行弦であることです。現代ピアノのような交差弦ではなく、弦が交わらないことにより、各音域がそれぞれの音色をクリアに保持できます。エラールは当初チェンバロメーカーであり当時からの鍵盤楽器の伝統としてオーケストラのような音色の多彩さをピアノが持っていました。エラールの発明である「ダブル・エスケープメント」と呼ばれる現代ピアノのアクションの元となる動きが、エラールのピアノにも使われているのです。
ダブル・エスケープメント
エラールの重要な発明である「ダブル・エスケープメント」と呼ばれるアクションが、エラールのピアノにも使われています。当時、リストなどの天才作曲家やピアニストと共に追及されたこのメカニズムの反応の鋭敏さは、素早い連打を可能にし、ピアノ表現の多彩さや技巧を飛躍的に発展させました。明確で適切なタッチのコントロールを要求し、それができると限りない色彩感を引き出すことが可能となります。
エラールの中古ピアノはこれまで多くのピアニストや批評家を虜にしてきました。価格帯も高額なものが多いと言えるでしょう。エラールの中古販売の事例を調べてみました。
No.0
1910年に製造されたモデルNo.0と呼ばれta奥行185cmと家庭用に最適なサイズです。当時の一般的であった象牙・黒檀の85鍵であり、外装には厳選された最高級のブラジリアン・ローズウッド材が用いられています。美術品としても十分通用する高いクオリティーに仕上げられています。
関連ページ